50代の営業が立てるべき戦略と、企業の中で示すべき価値

仕事のリアル

これまでこの「営転マガジン」では「20代の営業と40代の営業の戦略と目標」「30代・40代からの営業転職戦略:年齢を“強みに変える”考え方」といった記事を紹介してきました。当然、「20代? 30代? 40代? 何だ、50代は無視か! 年寄り扱いするな!」と憤りを感じた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

はじめに

55歳が定年だった昭和。その後、定年は60歳が一般的になり、中には定年が65歳という会社も出てきました。定年後再雇用で70歳まで仕事を続けられる会社もあります。恐らく、遠くない将来には定年70歳が一般的になるでしょう。
そうなると、50代はまだまだ若手です。
実際、50代の営業職は企業にとって「成果を出す人」であると同時に、組織を支える柱でもあります。若手にはない経験・判断力・安定感という武器も持っています。
そんなわけで、お待たせしました。今回は「50代が取るべき戦略」「企業内で発揮できる価値」「価値をさらに高める方法」をご紹介します。

50代の営業が取り組むべき3つの戦略

戦略は3つあるそうです。

人脈を情報網として活用

50代になると、取引先・同業者・元同僚など、いろいろな人とのつながりが増えているはずです。そのつながりは業界の動きをいち早く察知できる情報網です。このつながりを人は人脈と呼びます。
例えば「あの会社、来期に設備投資を検討している」「最近マグロの仕入れが不安定らしい」といった生の情報は往々にして人脈を通して入ってきます。この情報をもとに、先回りして顧客に声をかけると、「よく気づいてくれた」と感心され、信頼が一気に深まる、かもしれません。

経験を判断力として活用

50代の強みは、多くの商談を経験してきたことです。その経験は「今どう動くべきか」を瞬時に判断する力になります。
例えば、顧客が迷っているときに「このままでは話が流れる」と察して先に動けるわけです。逆に「今は押すより、資料だけ渡して様子を見るべきだ」という判断もできます。経験があるからこそ、最短で正しい判断ができる、はずです。できてほしいと望みます。できるべきです。

体力勝負をやめ、選ぶ営業に切り替える

50代にもなれば、1日に何軒訪問したかで勝負する必要ありません。50代は、やる仕事を選ぶことで成果を最大にできるはずです。
例えば、見込みの薄い案件に時間を使わず、移動を減らしてオンラインで済むものはオンラインにすれば良いのです。それでも成果を出せるのが50代のはずです。

企業の中で50代営業が示せる価値・魅力

これも3つあります。

組織の安定装置になれる

会社には営業部全体で数字が落ちる時期、トラブルが続く時期、若手が辞める時期などがあるはずです。そんなとき、50代の営業は焦らなず、感情に流されず、状況を冷静に整理できるに違いありません。いえ、そうあるべきです。50代は頼られる存在なのです。歳を重ねてきたからこその逆三角形の見事なシルエット、分厚い胸板、太い首、キリリとした眉毛、固く閉じた唇は、まさに頼りがいの塊。
この安定感は、企業にとって大きな価値だと言えます。

顧客から指名される存在になれる

50代になると「人」で選ばれるようになります。顧客が困ったとき、「まずはあなたに相談したい」と言われたりします。顧客はその企業を頼るのではなく、担当者個人を頼るのです。30代、40代でもそんな営業はいるでしょうけど、50代になると増えます。そんな営業は、会社にとってかけがえのない存在です。

専門分野を持つと、会社の武器になれる

専門性の高い営業は若手でも重宝されます。しかし、専門分野の知識は歳とともに深まっていったりします。50代にもなると、社内外からも「このテーマならこの人」と頼られたりします。

専門性の作り方

それでは50代の専門職は、どうやって専門分野を持ては良いのでしょうか。これもたまたまですが、3つあります。

過去の案件を振り返り、得意分野を見つける

成功した案件には必ず共通点があります。その共通点こそ、専門分野のヒントになるはずです。

その分野のニュースを毎日チェックする

成功した案件の共通点から見つかった分野について業界紙・専門サイト・顧客のニュースを追いましょう。知識は自然と深まります。

社内でその分野の相談役として振る舞う

とにかくその分野の話題を耳にしたら、所かまわず首を突っ込みましょう。そのうち、周囲から相談に来るようになります。そうして相談が集まるようになると、専門の相談役として社内で認知され、その噂は外にも広がります。

企業内での価値をさらに高める方法

価値は自分でさらに磨くこともできるのです。

社内の相談役として動く

若手や他部署から相談される存在になると、価値はさらに高まります。
すると社内で「案件の優先順位の付け方」「顧客との距離の取り方」「トラブル時の対応」などに関して相談されます。
50代にもなれば、判断基準を伝えられる存在となるわけです。

会社の方針を現場に落とし込む役割を担う

経営層の意図を理解し、現場に伝え、実行に移す、それこそ50代の役割です。50代なりゃこそ、経営層と現場との橋渡しができるのではないでしょうか。

後輩を育成する

会社の中で経験を重ねると地位が上がり、地位が上がると人材の管理も仕事になります。営業とて同様です。会社は、地位が上がった社員には人材育成を期待します。

育成の具体策

それでは50代の営業職は、どうやって人材を育成すれば良いのでしょうか。これまた3つです。

商談後に「なぜその判断をしたか」を言語化して伝える

後輩は判断の理由を知りたがるものです。自分の成長に生かしたいからです。ですから、商談後に「なぜその判断をしたか」を言語化して伝えると後輩の成長スピードは早くなるはずです。

失敗の原因を一緒に整理して再発防止の型をつくる

若手は経験が浅いだけに失敗も多く経験します。商談が失敗したとき、50代の営業は若手からじっくり経過を聞き、失敗の理由を若手と一緒に整理し、次にどうすれば失敗を防げるか、具体的な手順や注意点を見つけましょう
まずは注意点を短くメモにまとめます。それから再発防止のチェックリストを作ります。そのチェックポイントを、ミーティングで同僚らと共有すると、より良いでしょう。それから若手本人に次回の行動プランを書かせると、失敗をしっかり生かすことができるのではないでしょうか。

案件の優先順位の付け方を教える

若手はときとして「どこから手をつけるか」の判断に迷うこともあります。案件の優先順位の付け方を教えると、成果も伸びるかもしれません。
営業として経験を積むと、重要度と緊急度で案件に優先順位を付けられるようにもなります。しかし、経験が浅いと、つい「やりやすい仕事」から手を付けたり、先方から急がされた依頼に振り回されてしまいがちです。
きちんと優先順位の付け方を教えると、時間がかかる案件にしっかり時間を使えるようになり、商談の準備の質が上がり、無駄やミスが減る、かもしれません。

まとめ

企業にとって、50代の営業は「成果を出す人」であると同時に、組織を支える柱でもあります。50代の営業がガンガンと成果を出せば、営業の現場はガツンガツンとより良い環境になるのではないでしょうか。

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