AIは営業の仕事に急速に広がっています。文章作成や情報整理を手伝いつつ、営業活動全体を支えるようにもなっています。商談の準備、提案内容の検討、議事録の作成など、多くの場面で活用されています。
はじめに
AI時代の今、AIの得意な作業を理解し、人が力を発揮する場面と組み合わせながら営業活動を進めることが大切です。今回はそんな「AI時代の営業」を見ていきましょう。
AIが変える営業現場
生成AIは、営業担当者の指示に応じて文章や資料を作成できます。例えば「製造業向けに在庫管理システムを提案して」「物流会社向けの営業メールを作って」と指示すると、提案書の構成やメールの下書きを数十秒ほどで作成します。さらに「この会社の特徴をまとめて」「競合製品との違いを整理して」と指示すれば、公開されている情報をもとに内容を整理できます。
商談後には、録音した会議の内容を文字に変換し、要点をまとめるAIも利用されています。「お客様の要望」「次回までに準備すること」「決定した内容」を自動で整理できるため、商談後の事務作業を大幅に減らせます。
AIは営業の発想を広げるかもしれない
生成AIは、営業担当者の考えを整理するときにも役立ちます。例えば「新規のお客様へ興味を持ってもらえる話題を考えて」「価格以外の強みを伝える方法を提案して」「この商品の導入事例を活用した話し方を考えて」と指示すると、さまざまな案を提示します。
営業担当者は、その中からお客様に合った案を選び、自分の経験や商談で得た情報を加えながら提案を仕上げていけば良いわけです。
自動化が進む仕事と営業の役割
営業では、提案書の下書き、商談後の議事録作成、活動報告の作成、定型的なメールの作成など、決まった手順で進められる仕事があります。こうした仕事は生成AIや営業支援ツールを利用することで、短時間で終えられます。
一方、お客様が抱える課題を引き出す質問、その場の反応に合わせた会話、信頼関係を築くやり取りは営業担当者の重要な役割です。営業担当者は、AIに任せる仕事と自分が担当する仕事を整理しながら仕事を進めましょう。きっと営業活動の質を高められます。
AIを使う営業担当者に必要な力
完全な者はいません。
AIが出力した内容には確認が欠かせません。何しろAIは「正確さ」「論理性」に欠け、「文法」が苦手です。AIが提案書やメール、プレゼン資料を作成したときは、情報や数字が正確か、会社名や製品名に誤りがないか、文法に間違いがないか、話の流れに無理がないかを必ず確認しなければいけません。その上で、お客様に伝わりやすい表現になっているか、自社の考えや提案内容と合っているかも見直します。
そもそもAIを使う自分が「正確さ」「論理性」に欠け、「文法」が苦手? AIを使う前にたくさん勉強し、「正確さ」「論理性」「正しい文法」を習得してください。AIへ分かりやすく指示を出す力と、内容を見極めて仕上げる力、そして「正確さ」「論理性」「正しい文法」は、これからの営業担当者に欠かせない力です。
AIで変わる営業プレゼン
営業プレゼンの準備にもAIを活用してみましょう。
商品やサービスの特徴を入力すると、提案資料の構成案や説明の流れを作成してくれます。「経営者向け」「現場担当者向け」のように、相手の立場に応じた説明のポイントも提案できるようです。
AIは、説明の構成や話す順番、想定される質問への回答案なども作成できます。営業担当者は、お客様の状況に合わせてその内容を調整しましょう。
さらに「この提案に対して考えられる質問を挙げて」と指示すれば、想定される質問を挙げてくれるので回答を準備しやすくなります。営業担当者は事前準備を充実させた状態で商談に臨めるため、お客様との対話にも集中しやすくなるはずです。
AIを営業に使うメリット
AIを営業に取り入れると、提案書やメールの下書き、議事録の作成などを効率よく進められます。その分、お客様の課題を調べたり、提案内容を練ったり、お客様と向き合ったりする時間を確保しやすくなります。
また、考えを整理するときにも役立ちます。
AIを営業に使うデメリット
AIが作成した内容には、事実と異なる情報や古い情報が含まれる場合があります。もっともらしい文章でも、内容が正しいとは限りません。何しろAIは「正確さ」「論理性」に欠け、「文法」が苦手ですから。
また、お客様だけが持つ事情や、人間関係、その場の空気まではAIには分かりません。営業担当者が内容を確認し、お客様に合わせて調整する必要があります。手放しで楽はできないわけです。
さらに、AIに頼りすぎると、提案内容やメールの表現が似通いやすくなります。営業担当者自身の経験や考えを加え、お客様に伝わる提案へと仕上げることが大切です。また、AIが提示できなかった事態に直面したとき、臨機応変に行動する必要がありますが、AIを頼りすぎているとそれができなくなるかもしれません。常に「AIを信用しない」と、自分に言い聞かせましょう。
まとめ
AIは営業の仕事を効率よく進めるための強力な支援役です。営業担当者はAIを活用して事務作業や準備の負担を減らし、その分、お客様との対話や提案に力を注げます。
しかし、くどくどと書きますが、AIは「正確さ」「論理性」に欠け、「文法」が苦手です。これを忘れるととんでもないことになる、かもしれませんよ。

